承認欲求からの卒業
月刊「致知」の最新号に、JFEホールディングス名誉顧問の數土文夫氏と
明治大学文学部教授の齋藤 孝氏の対談記事が掲載されていた。
「読書立国への道」と言うタイトルでの対談だったが、
読書に関して以外でも、大いに啓発された点が多々あった。
そのひとつが「承知欲求」からの卒業。
齋藤氏が、以下のように述べられていた。
「「学問のすゝめ」で福沢諭吉は、
『「独立の気力なき者は必ず人に依頼す、人に依頼するものは必ず人を恐る、
人を恐るる者は必ず人に諛(へ)つらうものなり』と述べています。
「逆に人は肚で覚悟を決めると、他の人からの承認が必要なくなる。」
「私は承認欲求が日本人の成熟を遅らせていると常々思っているんです。」
「大人になるラインがどこかというと、承認欲求から脱皮する時です。」
「18歳になったら、認められたいという承認欲求から脱却しないといけない。」
「ブッダが「ただ一人歩め」と言っているのも、一人で歩く覚悟を持て
ということではないかと思うんです。」
まさに慧眼だと思う。
しかし、18歳でその域に達するのは、至難の業かも知れない。
褒めて育てると言うのは、動機づけ理論で言う「承認欲求」を満たして上げる事。
まずは、これが必要だろう。
しかし、成長欲求には、もうひとつある。
それが、「自己実現欲求」だ。
これは、自分でハードルを掲げ、それをクリアして行く事に喜びを見出す欲求。
周りからの褒め言葉や称賛は、あまり効き目がない。
この自己実現欲求は、「主体的自律的行動」を取る事を促す。
人に頼らず自立し、自らを律して勇気ある一歩をためらわずに踏み出す。
まさに、プロフェッショナルの取る行動様式だ。
組織では、このような「自己実現欲求」を持つ人を育てる事が、
求められている。
そして、自らのキャリア開発を考える場合は、
自分で自分を「自己実現欲求」を持つ人に育てる事が大事。
そのためには、小さな成功体験を積み重ねて、
自信を付けて行くのが一計かも知れない。
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