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2007年1月 2日 (火)

柘植久慶という男

柘植久慶という男をご存知だろうか。強靭な肉体と精神の持ち主である。と言ってK1の選手ではない。それ以上にすごい猛者なのだ。

1942年愛知県生まれ。1961年に慶応大学法学部政治学科入学。この年の夏休みに傭兵部隊の一員としてコンゴ動乱に参加。以降、フランス外人部隊の格闘技教官、ラオス政府軍の格闘技教官、アメリカ陸軍特殊部隊グリーンベレー大尉の経歴を持つ、筋金入りの軍人だ。今の日本人から見れば、常識を疑う生き方を選択した人物ということになるだろう。

1985年から作家活動に入ったと聞いているが、私が最初に出会った本は1986年に発行された「サバイバルバイブル」だった。アウトドアに凝っていた時期で、究極のサバイバルが戦場であることに気付き、軍用のグッズを買い求めていたときであった。

はじめ、「傭兵」と聞いたとき、ピンと来なかった。未だにそんな世界が存在していたのかと。しかし、現に存在していた。それから、なぜその道を選んだのか、柘植氏の生き方にたいへん興味を持つようになった。

彼の生き方を、誤解なく伝えるのは、この紙面だけでは語り尽くせないところがある。なぜならば、それほど日本人の理解を超える世界に住んでいたからだ。しかし、これだけは、はっきり言える。それは、行為の善悪はともかく、自分の命を掛けて自分の進む道を貫き通すその意思の強さを、だれも否定することはできないと。

柘植氏の主な著作は、ほとんど読んだ。何回も繰り返し読んだ本も多数ある。そこに書かれた内容を、どう解釈するかは、読者の自由だ。しかし、私はこの方を尊敬している。その意思の強さに尊敬の念を抱かざるを得ないからだ。そこには、死と向き合って、なお自分を見失わない怖いくらいの凄さを感じる。

昨年12月に、栗林忠道中将の本を出版された。今、上映されている「硫黄島からの手紙」の主人公である。映画も見たが、この栗林という軍人を、柘植氏がどう描いているか、たいへん興味がある。今、近所の書店に電話したら在庫があるというので、取り置いてもらってある。これから受け取りに行って、柘植氏が見た栗林中将を確かめたい。

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