最近思うこと
仕事柄、いろいろなジャンルの本を読むことが多いが、読めば読む程分からなくなることがある。それと反対にはっきりして来ることもある。
分からなくなること、それは「知識」のもつ不確かさだ。「情報」と言ってもいいかも知れない。何かを知りたいと思ったとき、探せば必ず誰かがそれについて書いてくれている。書籍にしてもネットに関しても、かなりの「知識」を速やかに仕入れることができる。
しかし、何か違う。
そこに、原体験の伴っていない「知識」の危うさを感じるのだ。単に分かったつもりでいるだけである。本当は、何も理解できていない。「人は自分の経験の範囲内でしか理解できない」という言葉があるが、まさにそれだ。何かを「知った」とき、我々はこれまでの経験と無意識に照合し追体験をして納得しているに過ぎない。
はっきりして来ること、それは「自分」の存在そのものである。深く考えたとき、その「知識」が自分にもたらしてくれるもの、それが何なのか。私の場合は、それが新鮮な「価値観」であった場合、その出会いに無常の喜びを感じる。「理(ことわり)」と言っても「心得(こころえ)」と言ってもいい。それらと出会ったとき、自分の「存在」の意味を確認することができる。
日々迷うことばかりである。
しかし逆に、「迷う」ことに「喜び」と「期待」を抱いている自分を、もう1人の自分がいつも見ている。これが、私が生きている証なのであろう。
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