岸谷五朗という男
昨夜、「愛馬物語」を見た。
主人公を演じたのが岸谷五朗。
その愛妻で、途中で病没してしまう役を、薬師丸ひろ子が演じていた。
野添広一(岸谷五朗)はある金融会社の敏腕営業。
仕事一筋だった。
あるとき、妻が病気で倒れ、その際初めて2年前から妻が乗馬教室に
通っていたことを知る。
妻が好んで乗馬していた馬の名前をクラリオンという。
その馬が処分されると聞いて、命を救うため、何とその馬を買ってしまった。
その後、妻が他界し会社をやめ、北海道にクラリオンと共に移住してしまう。
これは、脚色してあるが、本筋は実話だそうだ。
ご本人である市来宏さんの北海道の牧場でも収録が行なわれたとのこと。
何とも、意思の強い方だ。
映像の中では「クラリオンを買ったのはお母さんの病気でうろたえていたからだ。」
と娘に答えていたが、そうではなかっただろう。
妻の愛したクラリオンが、野添にとって2人の宝に映ったのではないだろうか。
その命を救うことは、妻の命を助けて欲しいという天への叫びだったのかもしれない。
この、不器用だが純粋で自分が守ると決めたことを実行していく役を
見事に岸谷五朗が演じていた。
この役者、実にいい魂を持っている。
熱いハートに即実行していく力強さ。
役の上だけでなく、本人自身もそういう人なのではないかと思わせる
何かが伝わって来る。
2001年にTBSで主人公を演じた「世界で一番熱い夏」以来の感動であった。
「人生をかけて守りたいものがありますか」
番組の最初に投げ掛けられたこのことば。
ぜひ見つけ出して行きたいと思う。
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