覚悟のすすめ
久々に骨のある本を読んだ。
タイトルが、「覚悟のすすめ」
阪神タイガース外野手である、金本 知憲(かねもと ともあき)氏の
著作である。
「ケガをしていても、それをいわなければケガではない。」
レギュラーの地位を勝ち取り維持するための、まさにハングリー精神
のかたまりのようなことばだ。
この気持ちが、結果として「連続フルイニング出場世界記録」を更新
させていると言える。
しかし、金本選手のすごいところは、ここからだ。
「世界記録を更新中のいまも、いつケガをしてもかまわないという
覚悟で試合に臨んでいる。」
「でなければ、全力でプレーすることなどできない。」
全力プレーすることが第一なのだ。
何が、それほどまでに彼を全力プレーに挑ませるのだろうか。
いろいろ書いてあったが、最後は「プロ」ということばに行き着く。
「(休場は、)サラリーマンでいえば有給休暇のようなものだ。」
「しかし、「それはどうなんだろう」そんな思いが私にはあった。」
「プロとして報酬を受け取っている以上、24時間、365日、プロとして
の意識をしっかり持ち続け、仕事はきっちりしたい。」
「プロとしての責任をまっとうするために、身体が動くかぎり試合に
出場するのは、自分の義務であり、誇りと思っているのである。」
すごい決意だ。
「練習で3割できれば試合で8割できる。5割できれば10割できる。」
これはまさに、試合という極限状態の中での集中力が成せる技だ。
なんとアグレッシブな捉え方だろう。
しかし、金本選手は、自分の弱さもしっかり押さえている。
「私はいわゆるビビリだったから、努力することを「やめられなかった」
という面もある。」
実に謙虚な心掛けだ。
彼は、自分と自分を信頼してくれているチームと、そして彼の活躍を
見に来てくれる観客のために全力プレーをしているのだ。
そして、そのための努力は、決して欠かさない。
「たとえお金にならないことでも、全力でプレーするのがプロ」
お金では表現できない貴重なものを、彼は我々に教えてくれている。
「覚悟を決めて 我が道を 突き進む」
帯の文字が光る一冊だった。
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