難破船を救う聖女
昨日、東京へ打ち合わせで出向いた際、再び大丸ミュージアムに立ち寄った。
9/10(木)から開催されている「イタリア美術とナポレオン展」を観るためである。
今回は、ナポレオンの生誕地であるコルシカ島にあるフェッシュ美術館からの
展示だった。
500年の歴史上、アジア圏で初の公開とのこと。
所蔵品は、イタリア絵画ではルーブル美術館につぐ点数とあった。
なるほど、数多くの作品が展示されていた。
その中でやはり目を引いたのは、宗教画の素晴らしさだった。
「聖母子と天使」や大作「戴冠式のナポレオン1世」等数々の名品が
照明のなかに次々と浮かびあがって来る。
目が止まった作品があった。
それがベネディト・ルティ作「難破船を救う聖女カタリナ・トマス」だった。
破片となった船体にしがみついている人々を救うため
倒れそうになっているメインマストを上空で必死に支える尼僧がその姿。
黒い空の向こうに青空が広がり始めているのが、希望の証か。
やさしさ、力強さ、純粋さが、ひしひしと伝わって来た。
「私も、このような存在になりたい。」
そのような想いが静かに湧き上がって来た。
帰りに、絵はがきを買った。
しばらく、聖女カタリナ・トマスとの対話を楽しみたい。
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