チベットへのいざない
先週、上野の森美術館で開催されているチベット展に行って来た。
なかなか見る機会の少ないチベット密教の仏教美術を垣間見るチャンスと思い、
間隙を縫って見て来たのだ。
金ぴかの仏像がいろいろなポーズを取っている。
父母仏立像といって、男女が向き合って抱き合っている像もあった。
おおらかなものである。
一方では骸骨をあしらった造形品も数多くあった。
合わせて見ると、生と死を平等に扱い、目をそらすことなく厳粛に受け止めている
様子が伺えた。
表現方法が日本とは違いオープンではあったが。
しかし、それゆえに力強さも同時に感じることが出来た。
高地での厳しい自然の中での生活が、そういう大胆さ、おおらかさ、力強さを
生んだのかもしれない。
表の上野公園では、民族衣装と民族楽器による路上生演奏会が開かれていた。
対立が続いている中国政府が後援とあって、活動らしきものが建物内で出来ない
という事情があるそうだ。
現実社会のひずみが、このようなところにも影響して来るのかと少し驚いた。
多分行くことのないであろう国を、少し身近に感じた時間だった。
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