古代カルタゴとローマ展
昨日まで大丸ミュージアム東京で「古代カルタゴとローマ展」が開催されていた。
なかなか訪れる機会がなかったが、ラストチャンスの昨日、出張に出かける前に
東京駅で30分程の隙間時間を見つけ駆けつけた。
カルタゴといえば、北アフリカに位置し地中海文明を開花させた都市国家である。
その美しさから「地中海の女王」と呼ばれていたそうだ。
確かに、大理石のモザイク画と断片的に残っている彫刻類から憶測すると、
栄華を極めた文明の残像が甦って来る。
しかし、隆盛を誇った割には、金細工が異常に少なかった。
これはローマ帝国に征服された際、ことごとく破壊された後、金を始めとする
財宝を奪取されてしまったからだろう。
勇将ハンニバルの活躍も虚しく、2回のポエニ戦争で都市は消失。
それゆえ、軍関係の品も青銅製の鎧が2着残っているのみだった。
パンフレットでは美しいモザイク画の日本では初の大規模展示をアッピール
していたが、最も私の目を引いたものは小さな金細工のイアリングだった。
精巧な彫刻が施されており、今でも充分通用する斬新なデザインの
イアリングだった。
これを身に付けた女性は、さぞかし美しかったに違いない。
地中海に行ったことはないが、想像するだけでもワクワクする。
紺碧の海に白壁、大理石をふんだんに使った宮殿。
行き交う白亜の帆船。
お隣のエジプトやギリシャとの海洋交易も盛んだったという。
時間がゆったりと流れ、きっと思い思いに時間を過ごしていたのだろう。
今とはまた違った幸せな時間が流れていたように感じる。
最後の日だったので、やはり混んでいた。
感傷にしばし浸った後、人ごみを避けるように会場を後にした。
| 固定リンク
コメント