人に向かわず天に向かえ
「人に向かわず天に向かえ」
これは、西郷隆盛の言葉だ。
続いて、こういう内容の言葉が並んでいる。
「天を相手にして、己をつくし、人をとがめず、わが誠に足らざるを尋ぬべし」
最初の言葉をそのままタイトルにした本に出会った。
それは、脳神経外科医である篠浦伸禎(しのうら のぶさだ)氏の著作だ。
そこには、実に興味深い内容が数多く書かれていた。
まず心を惹かれたことは、現代医学の最先端である脳外科の世界で、
その治療に人間学の教えを適用しているということであった。
人間学とは、簡潔にいうと「人間とは何か」「人間とはどうあるべきか」という
普遍的な問いを、過去に生きた様々な人間の言葉や行動から学ぼうとする
学問だ。
そこでは、自分だけでなく周りの方々が充実した時間を過ごせるように
志を持って自分を鍛え、自他を能動的に育むことが主に説かれている。
篠浦氏は患者さんに神渡良平著「安岡正篤 人間学」を手渡し、多くの
回復の手ごたえを感じて来たとのこと。
きっと患者さんたちは、自分だけの世界から脱却し、いろいろな形で
視野の広がりを手に入れられたのだろう。
本書では、さらに人間として健やかに生きるため、脳を3次元つまり6つの
パーツに分けて解説し、その組み合わせで自分の脳タイプを知り
自己開発に役立てることを勧めていた。
脳をバランスよく、かつ高いレベルで使うことが望ましい姿ということに
なるが、そのためには、脳のできるだけ多くの機能を使って生きることが
肝要ということのようだ。
この観点から考えると、やはり好奇心を持っていろいろなものに
チャレンジすることが大事なことのように思えた。
ちなみに、最もバランスのよい脳の使い方をしたと推測されるのが
徳川家康と紹介されていた。
実は、私の名前の一字は「康」となっている。
家康公から一字頂いたと親から聞かされたことがある。
名前に恥じぬよう、これからも切磋琢磨したい。
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