コロンビアの友人
前回のカンブリア宮殿に「コロンビアの友人」が出演した。
山梨日立建機㈱社長の雨宮清氏だ。
肩書だけ見るとピンと来ないが、日立グループの子会社になったのは2007年から。
それまでは山梨の建設機械の販売・メンテナンス会社だった。
その会社の社長が、なぜ「コロンビアの友人」なのか。
それは、彼が開発した地雷除去ショベルカーの貢献からだった。
雨宮氏のことは以前から知っていた。
カンボジアでの地雷被害者の惨状を前に、除去を思い立った。
それからというもの、会社の利益をつぎ込みショベルカーを改良し
地雷除去用のアタッチメントの開発に力を注いだ。
今でも約80の国と地域が地雷問題を抱え、100分に1人が被害にあっているという。
そして、その被害者の40%が子供だという。
戦争や内戦が終わっても、バラまかれた地雷が消えることはないのだ。
そして、その最悪の被害国に、まだ内戦中のコロンビアがなっている。
その地雷除去に一日本人が真っ向から向き合っている。
自ら現場へ出向き、状況を確認する。
そして、その国の現場に合わせたアタッチメントを開発する。
そのうえ、納品後は操縦法まで自ら教える。
経理担当者が出て来てこう言っていた。
「開発を始めて16年ですが、この事業に関しては赤字です。」
会社自体は黒字だが、そこから資金を捻出しながら賄っている。
ここまで来ると、使命としか言いようがない。
でも、素晴らしい使命だ。
誰から命令された訳でもない。
カンボジアの惨状の中、老婆から「助けて下さい。」と言われた
その一言が雨宮氏の心を動かした。
まさに社会起業家だ。
従業員も、そういう会社に誇りを感じている。
日立グループに入ったのは、自分の力だけでは限界を感じた
からだと言う。
全世界の地雷被害国を救うには、さらに資金と人が必要になる。
雨宮氏の意思を継ぎ、日立グループは商業主義に陥ることなく
世界貢献を目指して欲しいと思った。
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