脳は「論語」が好きだった
最近、本を買う機会がめっきり減ってしまった。
しかし、本を読んでいない訳ではない。
一度読んで味わい深かった本を、再読することが多くなっているのだ。
今回の出張時にも、この本を持参した。
「脳は「論語」が好きだった。」 篠浦 伸禎(脳外科医)
篠浦氏の本では「人に向かわず天に向かえ」を先に読んだのだが、
とてもおもしろかった。
脳外科の臨床医の観点から、脳の働きをより人が幸せに暮らせるよう活用法を
説いた内容だった。
今回の図書はその続編に当たるのだが、何と脳の活用法を論語の教えを例に
取りながら、より多面的に捉え、解説してくれているのだ。
脳はまだ未知の部分が多いとのこと。
しかし、機能局在と言って、ある機能が脳のどこかに依存していることは分かっている。
ただし、その場所が、まだはっきり分かっていない。
それを、臨床医の立場から、経験も踏まえて大胆に仮説を立てながら論じている。
なかなか勇気のいることだ。
しかし、納得できる点が多々あった。
脳の構造は、3次元に分けられるとのこと。
時間の観点を加えると、さらに4次元の広がりを持ってくると言う。
論語は、その脳の各部を全部使うことを教えとして論じている。
礼(相手に敬意を示す謙虚な態度):1次元
仁(相手を思いやる心):2次元右
智(知識):2次元左
信(信用):3次元右
義(正義):3次元左
これは不思議な一致だ。
しかし、たいへん興味深いことだ。
そして著者は、脳の観点からストレスに打ち勝つ方法も示唆してくれている。
人に貢献することを考える。
そして、目標や夢、志を高く掲げ達成するプロセスを楽しむ。
時間がかかってもいい。しかし決して諦めない。
上記は若干私の意訳も入っているが、要するに柔軟に思考しながら
自分の求めるものを目指して行動することを自体を大切にするということだろうか。
いろいろなことを考えさせられた本だった。
また時間を置いて、再読してみたいと思う。
なにか違ったものを発見出来ることを期待しながら。
それは、自分自身の成長を振り返ることになるのかもしれない。
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