羽を広げて歌う
「夜空に向かって、羽を広げて歌うイメージですね。」
「そう、そのとおりです。胸を開いて顔を上げ、体全体で歌って下さい。」
前回受けたイタリアオペラの個人レッスン時に、先生と交わした言葉だ。
先生の仰ったことを、いつも自分なりに解釈して、その考えでいいか毎回確認している。
そばで聞いていると、哲学の問答をしているように感じるかもしれない。
しかし、実はそのとおりかも知れない。
「感じ取る」ことが求められるからだ。
「なるほど、体全体を楽器とみなすということは、そういうことですか。
響かせるためには、より共鳴するよう体全体を使うことが大切ということですね。」
「そうですね。のどやくちは、ラッパでいうと先の広がっている部分です。
のどやくちは共鳴した音が出る部分で、共鳴は体や頭の全部を使います。」
「全身運動ですね。」
「腹筋、広背筋、脊柱起立筋、ハムストリング他、胸周りの細かいインナーマッスルを
総動員することになります。」
下半身を安定させたうえで、上半身を使うことを考えれば、上下を連結している
腸腰筋(腸骨筋と大腰筋)も鍛える必要がありそうだ。
ジムでは、どうしてもアウターマッスルを鍛える方に関心が向いてしまう。
しかし、体を効果的に使うためには、確かに縁の下の力持ちであるインナーマッスル
を自在に操ることが重要なポイントになる。
今回、歌う機会を得たことで、インナーマッスルに改めて関心を向けるきっかけを
掴んだことになる。
まずは、夜空に向かって羽を広げるイメージ作りから始めたいと思う。
これは、自重を使ったアイソメトリックトレーニングだ。
同時に、瞑想しながら自分の精神世界を見つめ直して行きたい。
本当に歌を始めてよかった。
そう思う今日この頃である。
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