二塁手論とは何か
おもしろい、しかし中味のある本と出合った。
その本のタイトルが「二塁手論」
著者は、福岡ダイエーホークスからシカゴ・ホワイトソックスへ移り活躍した
井口資仁(いぐち ただひと)氏だ。
現在は、千葉ロッテマリーンズにいる。
元々、井口氏はショートを守っていた。
それが、バッティング不振をきっかけにコーチから勧められ、二塁手にコンバートした。
当初は、内野手の花形であるショートからセカンドに移ることにショックを隠せなかった
ようだ。
実際、二塁手はあまり目立たない存在だ。
しかし、二塁を守る難しさとおもしろさに引かれ、次第に傾倒していくことになる。
大リーグも、最終的には二塁を守ることに拘り、退団することになった。
この本の中には、その間の心の揺らぎと井口氏が体で会得した人生を活かす
心得が満載されていた。
「今の自分に何ができるか、何ができそうかを、謙虚になって考える。」
「そのために自分が何をすればいいのか、具体的な目標をひとつひとつ並べていく。」
「地味でも小さくてもいいから、その目標を達成するために自分のやるべきことを
毎日積み重ねていくこと。」
「大き過ぎる夢や目標よりも、むしろ小さな目標の方がいい。」
「大切なのは、何かをひとつひとつ成し遂げていく達成感なのだ。」
「朝、目が醒めた時には、今日自分がやるべきことが全て分かっている。」
「そして、夜はその全てを成し遂げた満足感と共に眠りにつく。」
「そういう人生を、幸福と呼ぶのだと僕は思っている。」
まさに珠玉の言葉だ。
最後に、この一文が決めせりふのように記されていた。
「大切なのは、自分の仕事と社会がつながっているという意識だ。」
「仕事を通じて社会の貢献し、自分は社会というチームの一員になる。」
全編を通して伝わって来るのは、井口氏の野球に対する愛情と、野球を通して
自分を見つめていくその真摯な態度だ。
やはり、プロと言われる方々は、自分としっかり向き合っている。
そして、自分と周りを一体化して捉えている。
まさに、「情けは人のためならず」の世界だ。
私も、改めて自分と向き合って行きたい。
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