旅の記念碑
全国各地に出張で出向いた際、出来るだけ時間を作って現地のいろいろな
ものに触れるようにしている。
まずは、自分自身の情操教育のためだ。
旧所名跡、美術館、博物館、峠、川辺、海岸、埠頭、温泉、市場、食堂、
ホテル、レストラン、喫茶店、甘味処等
その際、思い出にと思い、身近なものを手に入れて来ている。
絵葉書、石ころ、珊瑚のかけら、お別れで使ったテープや黄色いハンカチ、
一輪差し、玩具等
人が見たら、ほとんどが、がらくたである。
でも、私にとっては、記憶の詰まった貴重な品々なのだ。
そう言えば、先日ベッド下の収納スペースを整理している時、学生時代の
思い出の品と出会った。
北海道の牧場でアルバイトした時にもらった真鍮製の牛の鼻輪と、
そのバイト代を元手に北海道を旅した時に買ったアイヌの酋長の顔の彫り物だ。
どちらも、手にする度に、その時の思い出が今だに蘇って来る。
ただし、決して思い出の中に生きているのではない。
自分の通って来た道を振り返り、反芻し、そこからまた学ぶべき点がないか、
深く味わっているのである。
その時には気が付かなかったけれど、後から振り返り、なるほどと思うことは、
結構あるものである。
過去の時間を大切にする。
油断すると、今という時間に流されてしまう。
過去の出来事の中に、宝ものが隠されていることがある。
これを大切にしたい。
旅の記念碑は、時間の記念碑でもあるのだ。
過ぎ去った時間の扉を開けるトリガー。
これからも、記念碑との対話を楽しんで行きたい。
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