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2011年2月 3日 (木)

一滴の波紋

前日泊まったホテルの大浴場で、深夜寝る前に入った湯船の中での出来事。

誰もいない風呂で、ぼんやりしながら湯に浸かっていた。

そうしたら、天井から一滴の水滴が湯面に落ちて来た。

音も立たず、全く無音の世界だ。

じいと見ていると、その水滴が波紋となって周囲に広がって行った。

そして、また一滴。

同じ動きが、その後何度も繰り返された。

いつもだったら、何気なく見過ごす出来事だが、その日は違った。
何かに吸い寄せられるように見入ってしまったのだ。

「悠久の時間の流れ」

広がって消えて行く波紋の向こうに、果てしない時間の広がりを
感じたのかもしれない。

このような感覚に陥るのは、久しぶりだった。

「忙中閑あり」

忙しい中だからこそ、この一瞬の出来事が新鮮に映ったのかもしれない。

至福の時間を、一人ゆっくり味わった。

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