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2011年2月 1日 (火)

発生生物学者の眼

日経ビジネス最新号の「有訓無訓」に面白い記事が掲載されていた。

発生生物学者の誰もが抱くであろう疑問と考察だ。

その疑問とは、「生命とは何か」。
そして、そこから更に、「人間の尊厳とは何か」という根本的な
疑問に発展する。

その疑問に答えるためには、歴史や文化等幅広い教養と深い知識が
必要と書かれていた。

記事の著者は、浅島(あさしま)東京大学名誉教授。
幹細胞工学研究センター長を兼務されている。
幹細胞と言えば、どの臓器にもなるiPS細胞で有名となった細胞である。

細胞を深く研究していると、生命の根源について考えざるを得なくなる
と述べられていた。
そして、考え抜いて物事の本質を見極めるには、時間も必要だと。

ここで、ゲーテの例を挙げられていた。

ゲーテは詩人として有名だが、同時に動植物学者でもあった。
その証拠に、哺乳類の精密な点描画が、数多く残っている。
そして、絵を描きながら、生命につき深く考察したのだろうと。

我々がゲーテの詩に心が揺さぶられるのは、彼が時間をかけて
生命に対する奥深さを見て来たからではないかと推察されていた。

我々はこれまで、効率重視の生活を営んで来た。
じっくり考えることを排除し、結果を素早く出すことだけに
邁進して来た。

これはこれで必要だと思うが、これだけでいいのだろうか。
じっくり見つめることで、初めて見えて来るものもある。
大事だと思った点は、時間をかけて探求する懐の深さが必要だ。

しかし、その際ただ見つめているだけでは物足りない。
あらゆる観点から考察を深めることが大事だ。
なぜなら、万物はどこかで関係し合っているため、全く違う切口から
見た場合、見逃していた解決のヒントを得ることが出来るからだ。

これからも、引き続き好奇心を持ち続け、「なぜだろうか」という
問い掛けを自らに発し続けたい。

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