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2011年2月 2日 (水)

バランスと勇気

昨日の日経新聞スポーツ欄に、サッカーアジア杯を制したザッケローニ監督
についての記事が掲載されていた。

監督が目指したもの、それは「バランスと勇気」だったと記載されていた。

バランスとは、選手の起用やポジション取りを適時適切に行うことを、
ここでは意味していた。

確かに、相手選手との間合いを見極め選手を交代させたり、守備位置を
変更したりしていた。

また、負傷した選手に代わり、これまで実績の薄かった控えの選手を
思い切ってベテランと共に戦わせる采配も見せた。

これらは、日頃から選手をよく観察していないと下せない判断だ。
それも顕在能力だけでなく、潜在能力も含めその選手の可能性を見出せて
いないと、めりはりのある判断が下せない。

この辺の話しは、一般の会社における管理者の職場マネジメントにおける
行動とまさに同じだ。
職場目標の達成を目指しながら、部下を育成する場面において、
同じ判断や行動が求められる。

しかし、サッカーの監督の場合は、さらにシビアな局面に置かれる。
戦いの場が、一般の職場と違い1回しかないことだ。
勝たないと、評価は一気に凋落することになる。

ここで試されるのが、「勇気」だ。

最後は、選手の能力を信じることに託される。

監督の選手を信じる心が選手に伝わった時、選手は力以上の力を発揮する
ことになるのではないだろうか。

そのためにも、日頃からの監督と選手の間の信頼関係を、強固なものに
しておく必要がある。

ザッケローニ監督は、その日頃からの信頼関係構築にも、かなり力を
入れていたようだ。
来日してまだ日が浅いが、心して選手と接していたのではないだろうか。

選手の一人が、こう言っていたと紹介されていた。

「ザッケローニ監督は、とても日本的だ。」と

日本の持つ相手を思う心と、イタリアの持つ攻撃的守備体系が、
うまく噛み合って機能したのが、今回のアジア杯優秀に寄与したのでは
ないだろうか。

今後のワールドカップに向けてのチームの活躍が、ますます楽しみに
なって来た。

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