限界を超えるハンマー投げ
今週のNHK総合の「アスリートの魂」は、ハンマー投げの室伏広治(むろふし こうじ)
選手だった。
今年37歳になる。
そして、ロンドンオリンピック挑戦の年。
番組は、これまでの室伏選手の道のりを振り返ると共に、現在そして今後、
彼がハンマー投げに対し、どのように向き合って行こうとしているのかを、
克明に追っていた。
25歳で、シドニーオリンピック9位:「世界の壁」を感じた年だった。
29歳で、アテネオリンピック金メダル:「歓喜」に包まれた。
33際で、北京オリンピック5位:「転機」を迎えた年となった。
そして、昨年、世界選手権で史上最年長の36歳で優勝を飾った。
33歳から36歳までの間に、彼はさらに大きく成長したのではないだろうか。
選手としても、人間としてもである。
話す言葉のひとつひとつに、まさに魂がこもっている。
明解であり、簡潔な発言。
たいへんな勉強家である事も分かった。
体育学の博士号を持っている。
そして英語がペラペラ。
博士論文には、数式が溢れていた。
「自分の能力をどこまで引き出せるか。」
「そのために、最大の努力をしたい。」
歳を経て、自分とさらに向き合う真摯な姿。
肉体の衰えを「力」でカバーするのではなく、「体の使い方」で
クリアして行く考えだ。
「体の使い方には追求するものがある。
まだ体で使っていない部分がある。」
そのために研究し体得して行こうとしているのが、
何と「赤ちゃんの動き」だった。
非日常の運動を、生まれた時の状態へ戻す。
胸椎と股関節を使った、無理のない投擲フォームがそこにある。
「限界を超えるのがアスリート」
「自分で限界を決めたくない。いかに自分を向上させていくか。」
「うまく行くときは、全くハンマーの重さを感じない。
意識せずに出来たとき、最大の投擲が出来る。」
まさに、自然体の極致だ。
「確実にメダルを取るために練習している。」
室伏選手を、心から応援したいと思った。
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