ボストン美術館「日本美術の至宝」
昨日、東京国立博物館へ行って来た。
平成館で開催されている「ボストン美術館 日本美術の至宝」を
観るためである。
ボストン美術館は、「東洋美術の殿堂」と言われている。
100年以上に渡る日本美術を収集し、その数今や10万点以上との事。
古くは、奈良・平安・鎌倉時代もものもある。
明治時代、アーネスト・フェノロサ、ビゲロー、岡倉天心が中心となり収集が
行われた。
今回の私のお目当ては、本邦初公開の「雲竜図」。
江戸時代に、奇才である曽我蕭白(しょうはく)が描いた襖絵だ。
修復により、今回初めて公開が可能になった。
パネル8枚に描き出された龍は、ユーモラスであり力強かった。
墨の濃淡だけで表現されている。
まさに、東洋美術の至宝に相応しい。
胴体の部分は、抜けていた。
もし揃っていたら、さらに迫力が増していただろう。
でも、素晴らしかった。
雲竜図は、2009年に京都へ行った時、主な禅寺を観て回った事がある。
それらの龍は、法堂(はっとう)の天井へ描かれていた。
四角い中で龍が踊っていた訳だ。
今回は、それが横に長い四角の中に描かれている。
のびのびとくつろいでいるようにも見えた。
絵巻ものも、初めてじっくり観た。
その中で、「吉備大臣入唐絵巻」が、楽しかった。
遣唐使であった吉備真備の、唐での活躍が面白く描かれている。
量にして、4巻25mの大作。
最初は、よく意味が分からなかった。
後で別室で見たビデオの説明で、初めて物語が理解出来た。
こうして観ると、古代・中世の日本人の美意識が脈々と伝わって来る。
繊細にして大胆、内面のエネルギーには並々ならぬものがある。
改めて日本の素晴らしさを噛み締めた。
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