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2012年6月18日 (月)

文化と文明

NHKEテレで放映しているトラッドジャパンの中で、「Words&カルチャー」
と言うコーナーがある。

その中で以前、「文化と文明」の違いについて説明していた事があった。
確かに、この2つの違いは、分かったようで分からない。
改めて興味が沸いたので、ネットのQ&Aで調べてみた。

(質問)
以下の3通りの説明がありましたが、どれが妥当なのでしょうか。
(1)文明は文化の総合体。
(2)文化は思想・道徳・芸術などの精神的所産であり、文明は技術的・
   物質的・政治制度的所産である。
(3)文化は特定の地域や歴史に縛られ、文明はより普遍的、抽象的で、
   特定地域や歴史に縛られない。
(答え)
文化は「地域性」を特長とする「生活全般」を指しています。
気候や地形、生活形態(農耕・遊牧等)等の地域的・民族的特性から派生して、
その地域・民族に特化、形成された生活全般を「文化」と呼んでいます。
研究対象としては、言語、共有する神話・歴史、それにともなう生活習慣
(法的なもの・宗教、婚姻形態、社会構成等)、道具類などが挙げられます。

文明は「汎用性=広域性」を特長として、上記の文化的枠組みを超えた
「技術」を指しています。
もともとは一文化の部分的な要素でしかなかったものですが、
例えば「鉄」を利用する生産技術・加工技術・利用技術は文化の違いを超えて
普及していきます。
こうした文化という地域性にとらわれない技術やそれに付随するものを
「文明」としています。
上記の「技術」には統治のための制度やその運用方法(例えば律令制や
資本主義のシステム等)も含んでいます。
政治制度に注目した文明論もあれば、技術に重点をおいた文明論もありますし、
また大きく遊牧文明・農業文明と言う言い方をする場合もあります。

定義は論者によって幅がありますが、基本的には上記で良いかと。
そう言う意味で、
(1)文明は文化の総合体、ではありません。
(2)文化は精神的所産に限定されたものではありませんし、文明は技術に
   様式が付随しパッケージとして伝播することが多いので、
   精神的・思想的な影響力も持ち合わせています。
(3)縛られると言うより、文化は地域・歴史から派生したもので不可分です。
   そして、文明は抽象的ではなく常に具体的です。

なるほどね、まさに目から鱗だ。

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