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2012年6月29日 (金)

これが経営哲学か

昨日のカンブリア宮殿は、日本航空名誉会長である
稲盛和夫氏だった。

稲盛氏は、現存する「経営の神様」と言われている方。
その洞察は深く、小手先のノウハウではなく、
まさに経営哲学で経営されている。

これまでも、数冊の著作を読ませて頂いた。
「生き方」「働き方」「アメーバ経営」等。

どれも、自らの人生観に裏づけられた含蓄に満ちた
言葉で溢れていた。
その方が、今回、改めて日本航空の再生を語った。

日本航空は、2010年1月19日に経営破綻した。
負債総額2兆3000億円で、銀行を除き戦後最大の倒産。
上場廃止。この段階で、株券は紙切れと化した。

その後、企業再生支援機構が、3500億円出資。
関係金融機関は、5215億円に及ぶ債権を放棄した。
社会に対し、たいへんな借りを作った事になる。

そこへ、稲盛氏登場。

「自分の非を認めて学ぶ「素直な心」がないと人間の進歩はない。」

JALフィロソフィーを作り、全社員に配付、研修受講を
義務づけた。
一人ひとりの、心からの再生を目指したのだ。

「美しい心をもつ」「土俵の真ん中で相撲をとる」
「一人ひとりがJAL」「売上を最大に、経費を最小に」
「真の勇気をもつ」「昨日よりは今日、今日よりは明日」
「常に謙虚で素直な心で」

植木義晴社長が、番組の中で稲盛氏の人柄をこう語っていた。
「誰にも負けない努力を50数年続けてきた事が感じられる。」

2012年3月期決算は、過去最高益である営業利益2049億円。
2年での再生は、見事と言うしかない。

しかし、本番はここからだ。
2年で、本当に人の心は変わるのか。
稲盛氏が言っていたように、人の心は移ろい易い。
そのため、「経営者は従業員の心を掴め」と。

実は、稲盛氏は、カンブリア宮殿に2006年10月16日出演されていた。
そこで、仰っていたリーダーの条件とは、以下の通り。

「経営者になりたい人は、自己犠牲を払ってでも社員や
お客様を大事にしようとする気持ちが大事。」
「自己犠牲を厭わない人間性を持った人でなければ経営者に
なってはいけない。」

今も、全く軸がぶれていない
さすがだ。

そして、今回、こう言い加えていらした。

「リーダーに必要なのは、誠実な人柄と逆境に立ち向かう意志」

稲盛氏は、1997年9月、京都の円福(えんぷく)寺で得度され
「大和(だいわ)」という僧名を得ている。
現在、在野のお坊さんなのだ。

これからの経営者は、自らの経営哲学を持つ事を
強く求められている。
これを改めて、思い知らされた。

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