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2012年6月15日 (金)

一気に通読できる完訳「論語」

つい最近、新刊本として「一気に通読できる完訳「論語」」が
発売された。

著者は、佐久 協(さく やすし)氏。

慶応高校に在職中、生徒アンケートで最も人気のある授業を
する先生として親しまれた。

退職後、「高校生が感動した論語」を著し、ベストセラーに。
当時の論語ブームの牽引役にもなった。
現在は、NHKで論語講師も努めていらっしゃる。

「はじめに」に、次のように書かれていた。

論語イコール儒教ではない。
論語は、主に孔子の言行録。
儒教は、主に漢によって作られた国家イデオロギー。
それは、論語をベースとしているが、巧みに読み替えられている。
我々とって必要なのは、本来の意味をきちんと捉える事

この本は、それにチャレジしている。

まず、訳文が親しみ易いように、平易な表現となっている。
そして、より分かり易くするため、孔子と弟子の言葉を分けている。
その上で、512句全部が記載されている。

但し、記載している順番は、原文のまま。
通読を趣旨としているからだ。
普通は、著者独自の分類に従い、順序が入れ替えられている。

「おわりに」には、次のように書かれていた。

ぜひとも、読者自身の新解釈を試みて頂きたい。
孔子の言葉は、時と場所が異なれば、さまざまに解釈出来る。
座右の銘とすれば、年齢を重ねるごとに新たな意味を見出せる。

日本では、江戸時代から孔子の言葉を柔軟に解釈する流れがあった。
これは素晴らしい事。
論語の内容を、自分に滲みこませ、血肉化する。

完訳されたこの本を何回も通読する事により、それを実現させたい。

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