一気に通読できる完訳「論語」
つい最近、新刊本として「一気に通読できる完訳「論語」」が
発売された。
著者は、佐久 協(さく やすし)氏。
慶応高校に在職中、生徒アンケートで最も人気のある授業を
する先生として親しまれた。
退職後、「高校生が感動した論語」を著し、ベストセラーに。
当時の論語ブームの牽引役にもなった。
現在は、NHKで論語講師も努めていらっしゃる。
「はじめに」に、次のように書かれていた。
論語イコール儒教ではない。
論語は、主に孔子の言行録。
儒教は、主に漢によって作られた国家イデオロギー。
それは、論語をベースとしているが、巧みに読み替えられている。
我々とって必要なのは、本来の意味をきちんと捉える事
この本は、それにチャレジしている。
まず、訳文が親しみ易いように、平易な表現となっている。
そして、より分かり易くするため、孔子と弟子の言葉を分けている。
その上で、512句全部が記載されている。
但し、記載している順番は、原文のまま。
通読を趣旨としているからだ。
普通は、著者独自の分類に従い、順序が入れ替えられている。
「おわりに」には、次のように書かれていた。
ぜひとも、読者自身の新解釈を試みて頂きたい。
孔子の言葉は、時と場所が異なれば、さまざまに解釈出来る。
座右の銘とすれば、年齢を重ねるごとに新たな意味を見出せる。
日本では、江戸時代から孔子の言葉を柔軟に解釈する流れがあった。
これは素晴らしい事。
論語の内容を、自分に滲みこませ、血肉化する。
完訳されたこの本を何回も通読する事により、それを実現させたい。
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