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2012年9月 3日 (月)

中国の古代歌謡集「詩経」を読んで

「論語」を紐解く中で、改めて中国の古代歌謡集である
「詩経」に興味を持った。

孔子は、主に仁(愛しむ心)と礼(道徳的礼儀)を説いたが、
それらは詩を吟じ音楽を愛する心から発すると考えていた。

その拠り所としたのが「詩経」。
詩経は、中国文学の母とも呼ばれており、四書五経の根幹とも
位置付けられている書である。

実は、この詩経は、西周時代、当時歌われていた民謡や廟歌を
孔子が編集したもの。

当初3000篇あった膨大な詩編を、孔子が311編(うち6編は題名のみ現存)
に編成し直したものである。
構成は、以下のようになっている。

① 各地の民謡を集めた「風(ふう)」
② 貴族や朝廷の公事・宴席などで奏した音楽の歌詞である「雅(が)」
③ 朝廷の祭祀に用いた廟歌の歌詞である「頌(しょう)」

今回は、目加田誠(めかだ まこと)氏の書かれた「詩経」(講談社
学術文庫)で学ばさせて頂いた。

そして、その目加田氏の訳文が、また素晴らしかった。
何と、日本人にとって快い七五調でまとめられていたのだ。

特に気に入ったのが、上記の①の詩だった。
恋愛の詩、行役で遠く離れて故郷を想う詩、一族の繁栄を祝う詩等。

こんな記述が、本の中にあった。

「人の心に在るのが志で、之が言に発して詩となる。」
「詩の徳は、人の心をも神の旨をも動かす。」
「詩こそ奇(くす)しき力あるもの、それは人の心、神の心を感動
させて、その祈りを実現させるもの。」

詩には、心を浄化させる素晴らしい効果があると言う事か。
改めて、詩の持っている力を再認識した。

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