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2012年9月 9日 (日)

がんばれ!坂道ダッシュ

昨日、イタリアオペラのレッスンに行った時の出来事。

いつも、少し早目に先生宅付近に到着するようにしている。
それは、お伺いする前に歌の予習をするためだ。
毎日自宅で練習しているが、直前にコンディションを整える意味もある。

予習ために立ち寄っているのが、近所にある坂。
その坂の中腹に、ベンチが設置されている。
そこで一服方々お休みし、発声するのだ。

その坂は、野川公園に続く坂道で、人が時々通る程度。
しかし、昨日は違った。

坂の下の方に、Tシャツ姿の若者が何人もいるではないか。
でも、気にせずに声を出し始めた時、人が迫って来る気配を感じた。

「バタ、バタ、バタ。」

何人もの足音が、下から駆け上がって来る。
ベンチは道から少し奥まった所にあるので、木立で姿は見えない。

すぐ真横を、2~3人の高校生が通過して行った。
その後も、4グループが続いた。

「この暑い中、坂道ダッシュか。何部だろう。」

最後に、コーチらしき先生が、叫びながら上がって来た。

「陸上が好きじゃないのか。ちっとも楽しそうじゃないぞ。」

凄い事を言うものだ。
炎天下の坂道ダッシュを楽しめとは。

ならば、楽しめる工夫をするのが、コーチの勤めではないだろうか。
見た所、無策のように感じたが。

上から、部員達が歩いて戻って来た。

「こんにちは。」「こんにちは。」

向こうから、挨拶をして来た。
しかし、視線がこちらを向いていない。
形だけ。

何のために、坂道ダッシュをしているのか。
何のために、挨拶をしているのか。

これがないと、真の成長は望めない。
若者よ、君の答えが聴きたい。
微笑みの坂道ダッシュ、その日が来る事を期待しているぞ。

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