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2012年9月25日 (火)

「学問のすすめ」再読

学生時代に読んだ、福沢諭吉の「学問のすすめ」を再読した。

致知出版社から、「いつか読んでみたかった日本の名著シリーズ」
の一巻目として、新たに刊行されたのを再読の機会と捉えた。

学生の時は、慶応義塾に在学していた事もあり、文語調の文体を
かなり苦労して読んだ思い出がある。

今回の書籍は、現代語に置き換えてくれているため、内容を改めて
吟味しながら味わう事が出来た。

再読して改めて思った事は、明治維新の文明開化の折、人々の
啓蒙を、命がけで行った様子が、迫力を持って伝わって来た事だ。

いろいろな分かり易い事例を用い、飽きさせない工夫が各所に見られる。
言い切る所は、はっきり言い切っている。

孔子の言葉も、数か所で引用しているが、決して肯定的に扱って
いるばかりではない。
時には、批評も加えている。

赤穂浪士のかたき討ちも、是とはしていない。

人心を一新するために、敢えて持論から正しいと思う事を
正々堂々と論じている。

これは、よほど軸が通っていないと出来ない所業だ。
場合によっては、袋叩きに会う可能性がある。

改めて、心に浸み入った言葉は次のとおり。

「学者は、努力しなければなりません。思うのは学ぶのにかなわない
ものです。多くの本を読み、多くの物事に接し、素直な心と輝く目で
真実のありかを求めていかねばなりません。」

ここで言う学者は、今では「我々」と置き換えてもいいだろう。

「交わりを広くするのに肝心な事は、この心事をなるべくたくさんに
することです。多芸多能を目指し、一色に偏らず、様々な方向を向いて、
人に接するのです。」

これらは、キャリアや自己実現に繋がる内容。
それ以外にも、今に繋がるテーマを、至る所に見つける事が出来た。
140年の年月を経た今も、全く色あせていない。

改めて、いろいろ考えるきっかけを与えられた。

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