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2013年3月25日 (月)

潜龍の時代

易経の中に、龍の話しが出て来る。

易経とは、東洋最古の書と言われており、四書五経で言う
五経の、一番最初に列挙されている。

易経の巻頭の卦である乾為天(けんいてん)で、君子の成長を
龍に謎って、6つの段階で説明している。

潜龍、見龍、君子終日乾乾す、躍龍、飛龍、亢龍

その一番最初に登場するのが、潜龍。
地に潜み隠れたる龍を意味している。
確乎不抜の志を抱き、その実現のために力を蓄える段階。

まだ全く無名だが、より見通せる洞察力を養うため、時の流れに
目を向け、実力の基盤を構築する時期とされている。

志を醸成しつつ、来るべき時に備えて、期待される能力を自ら伸ばす。
ここは、心の強さ、忍耐が問われる。
自分を信じ、何事にも耐えて行く。

私の場合は、前職在職中の27年間が、潜龍の時期だったように思う。
自分の道、つまりあり方を求め、試行錯誤を繰り返した。
与えられた仕事を行う中で、何が最も大事な事なのかを考え続けた。

出会う方々の考え方や行動を、つぶさに観察し分析した。
その中で、自分を振り返り、自分が真に求めるものを探求し、
その時点で必要と思われる能力を、まずは資格取得と言う手段で、
形にして行った。

潜み、考え、身に付け、気が熟した時、独立した。
過去を振り返れば、全ては今のためにあったと、実感する事が出来る。

しかし、だからと言って、潜龍の時代が完全に終わった訳ではない。
物事は、全て複数ラインで動いている。

大きく見ると、独立後の5年間は、見龍の時代。
そして今は、「君子終日乾乾す」の時代と捉えている。

しかし、物によっては、潜龍という部分もある。
足元をしっかりと確認しつつ、飛龍を目指して「君子終日乾乾す」を
実践して行きたい。

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