誰がお客様なのか
ある店頭で、店員にかなり強い口調で物申している客の姿を、
何回か見掛けた事がある。
中には、「俺は客だぞ」と怒鳴っている人も。
講師である私自身も、打ち合わせ中に、いきなり暴言を
受けた事がある。
まさに、開いた口が塞がらなかった。
これが、一部上場企業の人事課長かと。
もっとも、1年後には退社されていたが。
世の中は、全て循環している。
主客が転倒する等は、今や日常茶飯事。
上司が役職を解かれ、元部下の下に付く。
子会社に出向すると、親会社の責任者が元部下だった。
店頭で怒鳴った相手が、取引先の関係者だった。
相手の対応が、自分にとって不満足な場合もあるだろう。
そのレベルもまちまちだと思うが、ここで人間性を
問われる事になる。
自分の意思を、どこまで冷静に相手に分かり易く
伝える事が出来るか。
感情に押し流されてしまったら、その時はすっきりするかも
知れないが、それで事は終わらない。
世の中は、循環しているのである。
しかし、だからと言って、言いたい事も言わず我慢すると
言う事ではない。
言うべき事は、しっかり主張する。
問題は、その主張の仕方だ。
アサーティブと言う言葉がある。
本を見ると、いろいろな定義が与えられている。
私は、これを「積極的で協調的な自己主張」と捉えている。
相手と見解が違った場合は、消極的にならず積極的に発言する。
しかし、一方的ではなく、協調的に発言する。
この協調的にという箇所が、懐の深さを試される所だ。
エゴグラムでいうA(アダルト)を、まずは保つ事が出来るか。
君子を目指す者は、心する必要がある。
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