「いかにして人物となるか」読了
伊與田覺氏の著した「いかにして人物となるか」を読んだ。
これまで、伊與田氏の講義録として「大学」「中庸」を読み
進めて来た。
しかし、今回は「経書」ではなく実際に活躍した「人」を
ベースとして、生き方を考える機会を与えて頂いた。
なお、ここで言う人物とは、「大人(たいじん)」を指す。
大人とは、公の心に沿い、自分の軸を持ち、ブレる事なく
自分の人生を切り開いて行く人を言う。
それ故、大人は厳かで謙虚で飾るところがない。
余裕を持ち、周りを自己成長に向けて感化して行く。
書籍の中では、3人の聖人を取り上げられていた。
それが、孔子、王陽明、中江藤樹。
皆、儒学者だが、それだけではない。
教育者であり、政治家でもあった。
共通している事は、「学問」を収めるだけではなく、
「求道」を目指している事。
つまり、得た知識を「見識」として深め、実践している。
こういう活きた知識を、「活学」と言う。
これは、まさに私の求めているところ。
活かす事の出来ない知識は、意味がない。
逆に言うと、得た知識をいかに実学に耐えるものに
磨き上げて行くかが大事なポイント。
そのためには、経験の場で、学んだ事柄を丁寧に、
自分なりに検証して行くしかない。
それには、勇気も求められる。
「知者は惑わず、仁者は憂えず、勇者は懼(おそ)れず」
三位一体で、物事に取り組み、「大人」を目指したい。
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