深い海と深淵なる思い
ダイビングをしていると、海に潜る度に、いろいろな事が頭をよぎる。
・大自然の素晴らしさ
・生命の輝き
・仲間の有り難さ
それは、その時々の状況により様々。
そして、時には不思議な感覚に入る事がある。
それは、生の営みと、大いなるものとの接点に触れる時だ。
晴れているときは、海の中は輝きに満ちあふれる。
それは、順風満帆の時。
曇りのときは、海の中は灰色がかって来る。
それは、形勢が危うくなって来た時。
雨や強風のときは、海の中もうねりが入り始める。
それは、試練の始まり。
でも、それらは海の表層での出来事。
深く潜ると、次第に外界の影響が少なくなって来る。
それよりも、深い海が持っている別の表情が表れて来る。
我々の精神世界(心)の構造は、一説では次のように捉えられている。
① 知性(知識や論理)、② 感性(感情等)、③ 本能(欲望等)、
④ 魂(真我が現世での経験や業をまとったもの)、
⑤ 真我(心の中心にあって核をなすもの/真・善・美に満ちている)
これらが、⑤を核にして、外に向かって①まで同心円の層をなしている
と考えられている。
我々は、生まれて来た時は、⑤④に③を纏っている。
成長するに従い、②①が加わって行く。
逆に、年を取ると、①から順に剥がれて行く。
痴呆等を考えると分かりやすい。
また、悟りを開いて行くと、次第に④から⑤に達する事が出来る
とされている。
⑤は、仏教で言う「知慧」の事。
深い海に潜ると、この深淵なる部分に近づいて行く気持ちになる事
がある。
静寂と尊厳の世界。
生命の源に近づく感覚。
自分の肉体から離れた、何かの「存在」を確認する瞬間でもある。
これからも、海からいろいろな学びを得て行きたい。
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