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2013年12月 3日 (火)

スケッチの魅力

「へー、Iさん、これ特徴がよく出ていますね。」
「そう、とりあえず図鑑を見ながら描いたんだけど。」

今年の夏、ネイティブシー奄美のフロントで交わした会話の一部。

奄美へ出発する前日の夜、自宅の部屋で、何気なしに図鑑を
見ながら、コピー用紙に鉛筆で書いた魚のスケッチ。
ホテルで続きを書こう思い、持って行っていた。

「こうやって描くと、魚の名前が覚えられるね。」
「確かに。これ頂けませんか。」
「色も付けていないし、もう少し練習してからね。」

この会話をしたMさんは、ご家庭の事情で、誠に残念ながら
既に退社してしまった。

もう、彼女にプレゼントする事は出来ない。
でも、彼女のお陰で、スケッチの魅力を、改めて感じ取った。

その時は、思い付きだったため図鑑を見て書いたが、
これを、実際に見た姿を書いたらどうなるだろうか。
これは、面白い事になりそうだ。

海の中の絵としては、クリスチャン・ラッセン氏が有名。
彼は、ハワイに住むサーファー兼画家。
実際には、絵と言っても版画。
しかし、その躍動感や色彩は、目を見張るものがある。

だが、私が目指したいものは、もっとシンプルなもの。
まずは、鉛筆で線を描き、その間を色鉛筆で軽く色づけ
する程度としたい。

魚を、その特徴的な動作の瞬間を捉え、描き出す事を
考えている。
それも、カメラを使わず、記憶の世界で。
こうなると、「写実」ではなく「心実(しんじつ)」の世界となる。

「心実」とは、私の造語だが、心を写し取るという事。
眼だけではなく、その心も海の世界で遊ばせたい。

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