「永遠の0」読了
「永遠の0(ゼロ)」を読了した。
最初、映画を観に行くか、本を読むか迷った。
でも、この題材は、自問自答しながら読みたいと思い、
敢えて本を選んだ。
0(ゼロ)とは、零戦の事。
正式には、零(れい)式艦上戦闘機と言い、旧日本海軍の
誇る戦闘機だった。
内容は、現代に生きる若者が、零戦の搭乗員であった祖父の、
特攻で果てるまでの足跡を辿ると言うもの。
祖父であった宮部久蔵は、天才パイロットでありながら、
生きて帰りたいという思いを強く持った人間だった。
その理由は、妻と娘に帰って来ると約束したから。
当時の状況から見れば、これは普通ではなかった筈。
その意思を貫きつつも、最後は特攻に志願した。
何とも切ない話し。
小説だと思えば、それまでかも知れない。
しかし、筆者によれば、当時このような思いの搭乗員も
いたとの事。
家族を思う気持ちは、誰もが持っている。
それを前線という極限状態で、保つ事が出来るかどうか。
これには、かなりの意思の力が必要となる。
我々生物の命の営みは、137億年に渡る宇宙創造の
歴史から見れば、まさに一瞬の出来事。
そして、人間に生まれて来る確率は、1億円の宝くじが
100万回連続して当たる割合。
その中で、愛する人と出会い次の生を育む。
この事実は、一瞬かも知れないが、永遠の価値を持つ。
筆者が、どの考えで「永遠の0」としたかは知らない。
私は、0を、零戦の0(ゼロ)ではなく「限りない一瞬」と解釈した。
この一瞬に永遠の価値を見出し、自分の道を歩む。
まさに、魂の尊さと力強さを感じた。
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