思い出した夫婦饅頭
「日本のこころの教育」を読んでいて、
おとうさん、おかあさんの語源を辿って
いる時、ふと、思い出した事がある。
それは、昨年の江の島での出来事。
弁天通りの坂途中にあったお饅頭屋さん。
島での夫婦饅頭の元祖との事。
「夫婦饅頭を下さい。」
「1個じゃ売らねえよ。」
「どうして。」
「だって夫婦は、2個で1つだろ。」
なるほど、確かに。
でも、我が家で妻とこんな会話をした記憶
がある。
「夫婦は1心同体だろ。」
「えっ、夫婦は2心2体でしょ。」
妻の返事を聞いて目が点になった。
31年も一緒に居て、改めて本心を知った。
饅頭屋の親父さんへ、この事を伝えた。
「今も一緒に居るんだろう。ならば、実際には
そんな言葉を超えた所に居るじゃねか。」
なるほど、1や2に拘る世界ではないと言う事か。
「付かず離れずの関係が、いいじゃねえか。」
納得。
「そうですね。では夫婦饅頭をワンペア下さい。」
「ひと組でいいのかい。」
「今のお話しを噛み締めながら、じっくりと
味わいたいと思います。」
コーナーでお茶とお饅頭を頂いている横で、
ご夫婦が、息を合わせて接客やレジをしている。
お饅頭の甘い優しさが、心に広がった。
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