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2014年4月 8日 (火)

壺中日月長(こちゅうにちげつながし)

禅の言葉(禅語)には、深い教訓が込められている。

その一つに、壺中日月長(こちゅうにちげつながし)という
言葉がある。

意味としては、せわしい現実から一歩身を引き、自己を
回復する事により、生きる力を再生すると言う事。

中国の宋の時代の公案書「圜悟(えんご)語録」に収められ
て広く知られた故事。

役人が町を見回っていると、ある薬売りの老人が、時々
店先の大きな壺の中に入っていた。

不思議に思った役人は、老人に頼んで壺の中に一緒に
入ってみた。

すると、その中は俗界を離れた桃源郷だった。

これは、現代を生きる私達も、大事にしたい言葉。
現実の世界で、断固として戦い抜く事も必要。
しかし、いつもこれでは、神経が参ってしまう。

適度に歩を緩め、リフレッシュする事が欠かせない。
まさに、セルフマネジメントの世界。

私の場合は、いくつも壺を持っている。
ジム、オペラ、奄美等。

しかし、これらは、ただの壺ではない。
「癒しの壺」であると同時に、「出会いの壺」でもある。

そこから、新たな世界が広がって行く。
「誘(いざな)いの壺」でもある。

壺に、あまり多くの意味を持たせない方が、いいの
かも知れない。

でも、壺の中に、また壺を見つければいいのでないか
と思っている。
そして、壺は限りなく、広く深くなって行く。

現実と壺が一体となる。
それが、禅の極致かも知れない。

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