「鎮守の森」が世界を救う
子供の頃、近所の八幡様の神社で、よく遊んだ。
そして、そこには、大きなイチョウの樹があった。
かくれんぼで顔を寄せたり、抱き付いたり。
いつも、木の温もりを感じていた。
今、思うと、八幡様の神社だけではなく、お稲荷様
の神社でも、木々の周りを駆け回っていた。
ちなみに、八幡様とは、第15代応神天皇を祭っている。
鎌倉の鶴岡八幡宮への信仰が高まった後は、武家の
守護神として、各地に祭られるようになった。
お稲荷様は、稲の生育を司る神様。
元は農業の神様だったが、現在では広く、商業・産業
を守る神様と言われている。
八百万(やおよろず)の神々に守られた日本。
そこには、生い茂った樹が、いつも神社を守るように
取り囲んでいる。
今、その鎮守の森が、世界的に注目されている。
「鎮守の森が世界を救う」(扶桑社新書)に、その内容が
詳しく書かれていた。
現在、宗教的環境保全同盟(ARC)という組織がある。
構成メンバーは、キリスト教、イスラム教、仏教等
世界の主要な宗教の指導者達。
その同盟が、昨年6月に伊勢神宮に集まった。
伊勢神宮を中心に、豊かな生命を育む森や自然に
直に触れるために。
そこで彼らを驚かせた事、それは、
「神社や鎮守の森は、聖なる存在でありながら、人々
にとって身近で日常に溶け込んだ存在」という事。
他の宗教では、これは考えにくい事。
しかし、自然に回帰し、自然と共にある姿は、これから
の地球環境を考える際には、重要なヒントとなる。
ARCが、これからどの程度の活動を行い、その結果、
どの程度の影響力を世界に発揮出来るかは、未知数。
しかし、自然を大事にする動きが、宗教の枠を越えて
出て来た事は、賞賛に値する。
森を山を、川を海を、そして空を、健全な姿で
未来に託したいものだ。
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