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2015年2月 4日 (水)

「風姿花伝」読了

「これは、私にとって最高の指南書だ!」

思わず、そう心の中で叫んでしまった。

「風姿花伝」とは、能の秘伝書。
著者は、父の観阿弥と共に能の基本を作った世阿弥。
1400年代、室町時代の作。

当時、能は猿楽と呼ばれ、様々な一座が得意技を
活かして演じていた。

激しい競争に打ち勝つため、世阿弥は自分が培った
ノウハウを、弟子達に向けて数々の伝書を書き残した。
その中で最も有名なのが、30代後半の時に記した当書。

本来は能の演劇論だが、示唆に富んだ数々の教えは
研修講師としての振る舞いにも、とても参考になる。

強いては、人生論にも通じる部分が数多くある。

「初心忘れるべからず」も、この書からの言葉。
成長のために、経験を糧とし努力を重ねる事が大事。

「秘すれば花」も、有名な言葉。
切り札は明かさず、知らぬ間に相手を引き込む。

世阿弥が求めた、能の本質は何か。
それは、人々を幸せにする事。
結果として、自分も幸せになれる。

これは、単なるノウハウ書ではない。
そのベースとなる自分のあり方を問い掛ける書と
なっている。

能の舞台を、ビジネスの場に置き換える。
また、人生に置き換える。
置き換えに当たっては、意訳が必要。

それがまた、自分の力量を推し量るバロメーター
にもなる。

これから、何回も読み直したい。

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