遠きを慮る
遠慮には、控え目という意味以外に、遠い先まで考える
という意味がある。
時間的な遠い将来と、空間的な広がり。
言葉を替えると、先を見通し、視野を広げると言う事。
まさに、今後のリーダーに求められる姿勢。
論語に、次の言葉がある。
「人にして遠きを慮(おもんぱか)り無ければ、
必ず近きに憂い有り。」
:遠い将来を見通し、広く周囲を見回して深い考えを
巡らす事が出来なければ、必ず身近な所で憂うべき
事が起きて来る。
つまり、ビジョン(ありたい姿)を持てと言う事。
そして、魂の言葉を紡ぎだし、周囲に訴える必要がある。
月刊誌「致知」11月号は、この遠慮が特集されていた。
識者の弁に、改めていろいろと気づかされる。
今回は、特に台湾元総裁の李登輝(り・とうき)氏の
話しに、励まされた。
「リーダーに求められる能力を持つには、個人の能力や
計算ずくの利害関係を超越した発想が必要になります。」
「勉強するだけでなく、自分で哲学し、現実の社会を見据え、
問題点をはっきり認識して「日本をよくしたい」という信念
を持って、積極的に社会へ働き掛ける事が大事です。」
「リーダーは、必ずビジョンを明確に示さなければなり
ませんが、ビジョンに対してコンセンサスを得る事を
忘れてはなりません。」
李氏は、京都大学に在籍し従軍されていた。
しかし、敗戦で学業半ばで台湾へ帰国。
剣道は、7段の腕前との事。
日本のよき理解者でもある。
世界の中での日本に位置づけを捉え直し、
これからの日本の将来を、期待されていた。
まさに、国民一人ひとりが、自らのビジョンを持つ必要
があると感じた。
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