「養生訓」読了
「養生訓」は、貝原益軒(かいばらえきけん)が
江戸時代の半ばに著した、日常生活の養生書。
当書の根本精神が、総論の冒頭に書かれている。
「人の身は父母を本(もと)とし、天地(あめつち)を
初(はじめ)とす。」
「天地父母の恵みを受けて生まれ、また養われたる
我が身なれば、我が私の物にあらず。」
我が身は、天地父母から授かったもの。
だから、粗末に扱ってはならない。
そして、これが天地父母に対する「孝」の由縁だとしている。
まず元気でいるが、親孝行の一歩。
これは、「孝経」の「身体髪膚(はっぷ)、之を父母に受く、
敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」の考え方が
基となっている。
今回、口語訳を通して全編を読んだ。
いろいろな古典の言葉を引用して、生活や食事に
対するきめ細かい指導が、詳細に記されていた。
今となっては、医学的に正確な記述ではないかも
知れない。
しかし、全体を通してみると、まさに予防医学の
考えが貫かれている。
病気になってからどうこうするのではなく、
病気にならないための心得の数々。
心を平静に保つ。
偏った食事をしない。
度を越した行動をしない等。
何と、年齢ごとの、守るべきセックスの回数まで
記されていた。
全てを我が身に置き換え、セルフマネジメントに
注力して行きたい。
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