「仕事の技法」読了
引き続いて、田坂広志氏の「仕事の技法」を読んだ。
技法とあるが、単なるテクニック論ではない。
そこには、深い「心の技法」が記されていた。
仕事には、全て相手がいる。
その相手との「対話の技法」がテーマ。
対話には、「表層対話」と「深層対話」がある。
言葉を替えると、「言語的メッセージによる対話」と
「非言語メッセージによる対話」。
このうち、「深層対話の技法」を身につけ、
「深層対話力」を高めることが、「仕事力」を高めて行く
とあった。
まさに、その通りだと思う。
言葉は、裏腹。
しかし、体から発するサインは、嘘をつかない。
会合等が終わった後、関係者で「直後の反省会」を
持つ事を勧めていた。
・「相手の視点」で振り返る。
・相手の表情、仕草、動作から、真意を再確認する。
また、一人で「深夜の反省日記」を書く方法もあると。
・「濾過」されて心に残ったものが大事。
・客観的に自分の課題が見えて来る。(自分との対話)
・自分の心の動きが、正直に書ける。
これも、効果的な方法だと思う。
その際、自分が見えているかが大事としていた。
見えていないと、独断に陥る。
見えるようになるには、経験を重ね修行する事が必要。
相手と正対し、謙虚な心で臨む。
決して、「操作」しようと思わない。
「下段者、上段者の力が分からない。」
「多くの人間を、長く騙す事は出来ない。」
また、事前のシミュレーションも効果的だと。
・「戦略思考」が身に付く。
・同時に、「会議の設定状況設定能力」が身に付く。
「己の原則を持っている人間が、最も柔軟になれる。」
最後に、深層対話力は諸刃の剣であるとしていた。
・相手の真意を掴もうとして、相手を操作する道に走る。
・それが自分で分からず、相手が去って行く。
そのため、相手に、深い「敬意」を持って接する。
その姿を、「尊い姿」と思う。
深層対話力とは、「相手の深層と対話する力」を超え、
「自分の深層と対話する力」であるとしていた。
まさに深い見識。
改めて感じ入った。
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