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2016年10月31日 (月)

遺品収集60年の人生

月刊「致知」に、先の大戦で亡くなった方々の
遺骨や遺品を、沖縄の地で、60年の長きに渡り
収集している方のインタビュー記事が掲載されていた。

その方の名は、国吉 勇(くによし いさむ)氏。

編集者が、記事の冒頭に、以下の言葉を掲載していた。

「十年偉大なり。二十年恐るべし。三十年歴史なり。
五十年神の如し。」

この言葉から鑑みると、国吉氏は神掛かっている。

自身も戦火に会い、親兄弟5人を次々と亡くした。
戦争の辛さを、身を持って体感された方。
黙々と遺品を収集する姿は、祈りに繋がるものを感じる。

「遺族と対面させてあげたい。」

この一心で収集されて来たとの事。
遺族の方々の喜ぶ顔が、忘れられないと言う。

その度に、ご自身も亡くなった家族と対面されて
いたのかも知れない。

「収集した場所は、丁寧に、そして綺麗に場を整えて
から帰る事を徹底していました。」
「収集した遺品は、全部手洗いし、銃弾は火薬を抜いて
錆止めも塗って、種類ごとに綺麗に仕分けするんです。」

掘り出した遺骨は、約3,800柱。
遺品は、約13万点。

遺骨は、糸満市の国立沖縄戦戦没者墓苑に納め、
遺品は、自宅の一室を「戦争資料館」として保管されている。

現在、77歳。
現物を持って戦争の悲惨を語る姿。
これ以上、訴え掛けるものはないだろう。

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