遺品収集60年の人生
月刊「致知」に、先の大戦で亡くなった方々の
遺骨や遺品を、沖縄の地で、60年の長きに渡り
収集している方のインタビュー記事が掲載されていた。
その方の名は、国吉 勇(くによし いさむ)氏。
編集者が、記事の冒頭に、以下の言葉を掲載していた。
「十年偉大なり。二十年恐るべし。三十年歴史なり。
五十年神の如し。」
この言葉から鑑みると、国吉氏は神掛かっている。
自身も戦火に会い、親兄弟5人を次々と亡くした。
戦争の辛さを、身を持って体感された方。
黙々と遺品を収集する姿は、祈りに繋がるものを感じる。
「遺族と対面させてあげたい。」
この一心で収集されて来たとの事。
遺族の方々の喜ぶ顔が、忘れられないと言う。
その度に、ご自身も亡くなった家族と対面されて
いたのかも知れない。
「収集した場所は、丁寧に、そして綺麗に場を整えて
から帰る事を徹底していました。」
「収集した遺品は、全部手洗いし、銃弾は火薬を抜いて
錆止めも塗って、種類ごとに綺麗に仕分けするんです。」
掘り出した遺骨は、約3,800柱。
遺品は、約13万点。
遺骨は、糸満市の国立沖縄戦戦没者墓苑に納め、
遺品は、自宅の一室を「戦争資料館」として保管されている。
現在、77歳。
現物を持って戦争の悲惨を語る姿。
これ以上、訴え掛けるものはないだろう。
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