「都鄙問答」読了
石田梅岩が著した都鄙(とひ)問答の現代語版を
読み終えた。
梅岩の広めた石門心学の真骨頂。
問答の形を取っているが、読み通すには
かなりのエネルギーが必要。
至る所に、数々の中国古典の引用が出て来る。
いい復習にはなるが、全てに通じている訳では
ないので、その度に立ち止まらざるを得ない。
特徴的な点は、商人道について語られている点。
当時の士農工商の劣位にいた商人に地位を
与え、学問の必要性を説いている。
現代風に捉えると、CSR(企業の社会的責任)にも
言及している。
まさに、渋沢栄一の「論語と算盤」に繋がる思想。
江戸時代中期においては、画期的。
内容は、儒学のエッセンス。
孟子の性善説が思想の根幹となっている。
問答で話しが進んで行くため、引き込まれる。
また、例え話も多用されているので、昔の話し
とは言え、イメージがし易い。
この書は、彼の松下幸之助氏の愛読書でもあった。
松下氏の、経営哲学の軸を支えていたとも言える。
また、時を違えて再読してみたい。
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