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2017年2月 4日 (土)

多少の人事は皆是れ学

今年の年末年始に、読みたかった平澤興講話選集
「生きる力」5巻を読破した。

平澤先生は、元京都大学総長。
脳神経解剖学者であると共に、浄土真宗の篤い信徒。

まさに、科学と宗教の狭間に生きた方。
故に、その思いは深く、各巻とも含蓄に満ちた言葉で
溢れていた。

中でも、第2巻「古典に学ぶ」の中で出会った以下の言葉は、
我が意を得たりという感じだった。

「多少の人事は皆是れ学なり。
人謂(い)う、近来(きんらい)多事にして学を廃す」

:いろいろな世間の仕事、それ自体が学問である。
  しかし、世間の人は言うには、近頃は忙しくて学問をしていないと。

この言葉は、江戸時代の儒学者である佐藤一斎の
「言志録」に書かれている。

この言葉を引用し、平澤先生が、日常の仕事に埋没する事なく、
職場を学びの場とし、仕事を通して自分を育てる事を
提唱されていた。

まさに、その通り。
経験を通して得た知見こそが、実践能力として花開く。

これは、コルブの経験学習モデルと意を一にする。

経験→省察→概念化→実践

「学習とは、経験が変成される事を通して、知が生成される
プロセスである。」
ここでも、経験が重要な役割を果たしている。

これが、自ら進んで役割発揮を求める理由である。

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