「山岡鉄舟修養訓」読了
勝海舟修養訓に並んで、山岡鉄舟修養訓を
読了した。
激動の時代を、命を懸けて生き抜いた志士達。
山岡鉄舟も、その一人。
幕臣の一人として、江戸無血開城に陰で貢献した。
本を読んでここが凄いと思った点は、明治13年に
無刀流という流派を開いた点。
45歳での出来事。
明治に入り、廃刀令が敷かれ、武士の地位も消滅した。
江戸時代に隆盛を誇った剣術道場が廃れて行く中で、
敢えて道場を開いた。
剣術から、剣道へ。
剣を通して、心の修練を目指した。
そのため、残された言葉には、禅と通じるものが多い。
剣の達人でもあり、禅の達人でもあったのだ。
「精神を呼吸に凝らし、勝機を未撃に知る。」
:心を落ち着けて相手の力量を測り、剣を交える
前に勝ちを収める。
これは、究極の世界。
孫子の兵法にも、次の言葉がある。
「戦わずして勝つ。」
圧倒的な力量を付ける事により、戦う前に
相手を屈服させるという意味。
そのためには、技だけではなく、心も鍛える必要がある。
気力を充実させ、しかし頑なではなく、柔軟に対応する。
戦う相手は、最終的には、自分という事になるのだろう。
実に、奥の深い世界だ。
心して行きたい。
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