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2018年11月 5日 (月)

「真実の瞬間」を活かす

あるリージョナル航空会社の管理者用研修プログラムを
検討するに際し、改めて再読した本が、「真実の瞬間」。

ヤン・カールソン氏がスカンジナビア航空を立て直した
時に行った判断や行動が、記されている。

顧客に接する15秒という僅かな時間が命。
それが、「真実の瞬間」。

この瞬間を活かし、顧客に満足を感じてもらうため、
顧客に直に接する従業員に権限を委譲した。
マニュアル遵守は大事だが、それだけでは足りない。

これは、見方を変えると、従来のピラミッド型の
企業形態を、ある意味、逆転させる事を意味する。

つまり、経営者、管理者は、意思決定者であると共に
従業員が能力や意欲を発揮する支援者になる事が
求められるという事。

このバランス感覚が、難しい。

意思決定者としてビジョンを定めるが、その実行段階では
部下に執行権を権限委譲し、支援者として立ち振る舞う。

ビジョンを部下の分かる言葉に翻訳し、相手が納得
出来るまで、説明を繰り返す。

部下も、様々な価値観を持っている。
これらを受容しながら、相手の理解を促す。

実行段階では、無用な口出しをせず、温かく見守る。
事が起こった時には、相談者として機能する。

これは、とても忍耐を要する仕事だ。

ヤン・カールソン氏は、これらを実行した。
そして、赤字体質を黒字体質に変えた。

言うは易し、行うは難し。

この経営者や管理者の方々の意識転換を促す事が
私の仕事。

心して、臨んで行きたい。

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