企業経営の本質とは
日経ビジネスの「賢人の警鐘」に、富士フィルムHDの
会長・CEOである古森重隆氏が、企業経営の本質について
寄稿されていた。
企業は株主のもので、その利益を最大化させるために
企業は存在するとしたミルトン・フリードマン氏の提唱した
株主第一主義が、当の米国で見直されて来ている。
米国の経営者団体であるビジネス・ラウンドテーブルが
顧客や従業員、地域等のステークホルダーを重視して
いくと宣言したのだ。
現代マーケティングの父とされるフィリップ・コトラー氏
も、この宣言を評価しているとの事。
コトラー氏は、現在「人間中心主義のマーケティング、
イノベーション、マネジメント」を提唱されている。
人間中心主義の経営とは、経営者の意志だけではなく、
顧客や従業員、社会等全ての人を大切にしながら経営
していくという考え方。
古森氏は、これらの考え方に強く同意されていた。
理由は、企業という組織の可能性を信じているから。
企業は、社会に価値を提供する最も適した組織体。
開発、生産、営業等様々な機能がかみ合って進む
極めて合理的な組織。
製品やサービスの提供を通して社会に価値をもたらし、
対価として適正な利潤を受け取り、さらに再投資して
新しい価値を生み出していく。
この再投資する際の大事な事が、短期と長期の課題を
バランスよく両立させる事。
短期で利潤を稼ぎ、株主に利益を提供する事も重要。
しかし、社会と技術は進歩している。
先読みし、未来へ投資する事が欠かせない。
古森氏は、両者のどちらを取るか迷った時は、
未来への投資を優先するとされていた。
これは、勇気ある決断。
富士フィルムの存在は、この決断に支えられて来た。
その感を、強く持った。
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