気づきと誘導
研修講師の仕事をする中で、自分で微妙だなと
思う事がある。
それが、「気づき」と「誘導」。
講師の仕事は、単に知識を与える事ではない。
さらに重要なのが、気づきを促す事。
「なるほど、そう言う事か。」
これがあって、初めて行動に移す事が出来る。
行動が伴わなければ、知識を得ても意味がない。
しかし、気づきを促すつもりが、いつの間にか
誘導しているのではないかと自問自答する事がある。
この差、まさに紙一重というのが実感。
どこで、この違いが出て来るのだろうか。
気づきは、相手に主体が置かれている。
相手が主で、こちらは従。
相手が考えるきっかけを作って行く。
誘導は、こちらに主体がある。
こちらが主で、相手が従。
こちらの考えを導入して行く。
自律した人材を育成する観点から捉えると、
健全な気づきを促す事こそが大事。
誘導は、論理の押し付けと化す事がある。
注意しなければならない事は、自分も相手も
意識がない中で、誘導に入ってしまう事。
まさに、巧みな誘導尋問の世界。
この谷間に落ちないためには、何が必要か。
講師が、常に自分を律する事を欠かさない事だろう。
研修の場が、実は自分の修練の場なのだと思う。
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