この一瞬の重み
田坂広志氏のメルマガで、「この一瞬の重み」と
いうタイトルの記事が送られて来た。
記事は、羽生善治棋士が、ある対談で述べた
内容についてだった。
「今では、パソコンを使って、
簡単に棋譜研究をすることができます。
しかし、興味ある局面は、実際に駒を使って
盤に並べてゆっくり考えます。」
「駒を盤に並べて見るのは、パソコンだと、
クリックするだけで次々と進んでいきますから、
次を早く見たいという気持ちで駒を進めてしまって、
その一手の重みを実感できないからです。」
「パソコンで棋譜の研究をしていると、
どうしても、 この先を早く見たいと思ってしまって、
自分で考えることをしなくなるのです。」
なるほどね。
確かに、早く正解を知りたい、教えて欲しいという
気持ちには、ぬぐい去れないものがある。
研修を行って居ても、正解を知りたがる傾向が強い。
自分で考える前に、答えを聞きたがる。
かと言う自分も、考える事を十分に時間を取って
行っているかと聞かれれば、心許ない。
自問自答して、自分の全霊を傾けて
自分なりの解を見い出して行く。
この作業が疎かになると、単なる知識の集積となり、
見識として高める事が出来なくなる。
結果として、行動に反映しない。
これでは、全くの無意味。
一瞬立ち止まり、慎独に結び付ける。
この違いは、とても大きなものだと思う。
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