覚めたる人を神という
伊與田覺氏の著作である「己を修め人を治める道」の
中で、素晴らしい言葉と出会った。
それが、
「覚めたる人を神という、眠れる神を人という」。
:覚めた人の事を神という。神であっても
眠っている神を人という。
これは、神人一如を表している。
何とも、有難い言葉ではないか。
著された方は、岡潔氏。
戦後間もなく文化勲章をもらった方で、数学の大家。
岡氏曰く、我々人間には、良心が眠っている。
それが目覚めた時には、即神であると。
人心は天心、天心は人心であるという事。
人の心は、まさに天に通じている。
この人心が、惑わされる事なく発現された時、
つまり、良知に従い行動する事が出来た時、
我々は、人としての健全な道を歩む事が出来る。
問題は、この良知を得る事が出来るかどうか。
自分の嘘偽りのない心を持つ事は、言うは易し
行うは難しである。
良知を私なりに言い換えると、
「自分のぶれない価値基軸」、略して自分軸。
最後は、この自分軸が究極の判断基準となる。
迷った際に立ち戻る基点。
自分軸がぶれなければ、その表現形は何でもいい。
しかし、自分軸が不健全だと、行為は邪悪なものとなる。
陽明学では、これを「到良知」と言っている。
真の自分を見出す事は、天に通じる。
この努力は、一生掛けて行う価値がある。
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