「解体キングダム」がおもしろい!
NHK総合で放映している「解体キングダム」が、とてもおもしろい。
「形あるものは、必ず崩れる」
人は、造る方にどうしても関心が向く。
しかし、新たに造ろうと思ったら、元あるものを取り去る事が不可欠。
ここに焦点を置くとは、さすがNHKだ。
解体現場と言うと、普通はビルの解体現場を思い付くだろう。
もちろん、この場面も画面に多く登場する。
一方、特殊な解体現場も、機会あるごとに紹介される。
9/6(水)は、「漁業取締船」の解体現場だった。
漁業取締船とは、違法操業をする密漁船を取り締まる水産庁所属の船。
船体の鉄板が厚いため、巨大なつめを持った重機でしか破断出来ない。
この船の名は「たつまい」。気仙沼の龍舞崎から命名された。
実は、東日本大震災で炎に包まれた壮絶な過去があった。
エンジンが無事だったため、改修され奇跡の復活を遂げた。
その後、復興のシンボルとして船員達を支え続けて来た。
その解体現場で、涙する元船長らの姿が、印象的だった。
8/30(水)は、180tもある「巨大変圧器」の解体だった。
場所は、ある変電所。
頑強な鋼鉄の容器を切断して、桁外れに巨大なコイルを解体する。
やっかいなのが、その内部に漏電防止と冷却のため充填された「絶縁油」。
解体中に引火すれば大惨事になりかねない。
これに対し、特殊解体チームが、何と水を使った新工法で裁断して行く。
そして、8/2(水)は、ユーミン50周年ツアーでの驚きのステージ解体。
ユーミンのコンサートは、豪華なステージで有名。
だが、全ての会場で完璧に再現するため、裏側では大勢のスタッフが
工夫を凝らして解体している。
豪華ステージの解体作業に、興味深々で見入ってしまった。
この「解体キングダム」を、番組中で体当たりで紹介してくれる方々がいる。
・明治大学で建築を学んだ建築アイドルの、伊野尾慧さん。
・一級建築士に見事合格した俳優の、田中道子さん。
・若い頃、解体現場で働いていた元格闘家の、魔裟斗さん。
・解体現場の廃材でアート作品を作る芸術系アイドルの、千賀健永さん。
それそれの持ち味で数々の解体現場を取材し、現場員の思いを受け止め
つつ、自分が受けた印象を、自らの言葉で語ってくれている。
このような裏方を見れる機会は、めったにないだろう。
上記4名の方々と共に、今後も「解体キングダム」に注目して行きたい。
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