「論語物語」が実に興味深い!
下村湖人氏が著された「論語物語」を、先週から読み始めた。
下村氏は、小説「次郎物語」で有名な方であると同時に、教育者でもあった。
その下村氏が、断片的な言葉で綴られた「論語」を、いくつかの言葉を
繋げてストーリーとしてまとめられたのが、「論語物語」だ。
論語499章句の中から、130章句を引用されている。
それらを組み合わせて、28個の興味深い短編として、
1冊の本に著されている。
読んでいると、孔子が弟子たちと問答している姿が、
瞼に浮かんで来る。
これまでも、論語の解説書を、何冊か読んで来た。
その時は、問答の様子を、自分なりに想像を膨らませながら
味わっていた。
ただし、その際は、一つひとつの言葉の解釈だけに止まっていた。
そのため、別の言葉との関係まで思いが及ばす、何か味気なさを感じていた。
それが、このように幾つかの言葉を関連付けて、物語として
著して頂けると、これまでとは違う感慨深さを感じる事が出来た。
これが、小説家ならではの真骨頂なのかも知れない。
人によっては、このようなまとめ方を、よしとしない方も居るだろう。
なぜならば、著者の考えが入るからだ。
論語純血主義の方々からすれば、これは許し難い行為だと思う。
しかし、論語は、それを読む方に、自分なりの解釈を認めて
いるような気がする。
私は、そのようなおおらかさを、論語から感じている。
逆に、だからこそ、論語の真理を知りたいと思い、深く味わおうと努力する。
「論語物語」は、論語の心に近づくためのヒントを、
与えてくれているような感じがする。
まだ、半分程度しか読み進めていない。
後半分を、自分なりにじっくりと味わいながら、
そして、ワクワクしながら読んで行きたい。
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