「時間の矢」と「宇宙の熱的な死」
放送大学に、宇宙科学を学びたくて、2022年に入学した。
最近は、改めて基礎となる「物理」の勉強に、ひたすら励んでいる。
力学、電磁気学、熱力学の本を、各4冊ずつ読んで来た。
そして、来年からの勉強に備え、解析力学、統計力学、振動·波動、
量子力学の参考書を、この度購入した。
その上で、各参考書を通読し、太字表記のキーワードに下線も引いた。
しかし、現時点では、全く理解が出来ない。
高等数学の数式だらけ。
これらを、克服出来るのだろうか。
今は、期待よりも、不安の方が遥かに大きい。
こういう場合は、原点に戻るのがよい。
私の興味の対象は、「宇宙」そのものだ。
物理は、宇宙を知るための手段に過ぎない。
熱力学の本を読んでいる時、「時間の矢」と「宇宙の熱的死」という項目があった。
この宇宙を、まず「断熱された孤立系」であると考える。
その系の中で、我々が目にするほとんどの変化は、「不可逆過程」とみていい。
そのため、「エントロピー」というエネルギーが増大する向きに変化は進む。
つまり、時間の経過と共にエントロピーが増大して行く事となる。
これは、エントロピーの増大の向きと時間経過の向きが一致する事を意味する。
この現象を、熱力学ではエントロピーによる「時間の矢」と呼んでいる。
時間の経過と共に、宇宙におけるエントロピーは増大し続ける。
やがて、エントロピーが最大値に達した時点で、変化が停止する。
つまり、それは「時間の矢」が失われる事を意味する。
この状態になると、宇宙はどこも一様で等温な均質な混合状態が
出現する事となる。
これは、ブラックホールも銀河も、全て区別がなくなるという事。
宇宙を構成する様々な個性的な要素がなくなり、単調な状態となる。
こうなると、宇宙は空間も時間も定義出来ない、虚ろな存在となる。
これをボルツマンは、「宇宙の熱的な死(ビッグフリーズ)」と呼んだ。
しかし、私は、残念ながら全くイメージする事が出来ない。
宇宙の終末論は、これ以外にもいくつか唱えられている。
「崩壊的な死(ビッグクランチ)」「破壊的な死(ビッグリップ)」等。
宇宙は、まさに神秘に満ちている。
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